野球の変化球の球種ってどのぐらいあるの?
今年も甲子園をわかす高校野球も、投手とバッターのかけひきがあり、熱い夏の闘いが繰り広げています。
野球で球種というと、ひと昔はストレート、カーブ、シュート、フォークだけだったのが、今では研究され何十類もの球種があるのです。
ストレート(直球)系だけでも7種類もあり、カーブ系、シュート系などを合わせると、なんと150種類以上の球種があるとされています。
スポンサードリンク
野球のピッチャーが投げる変化球は、左に曲がったり右に曲がったりします。
カーブは、投げた手とは反対側に曲がる変化球です。
右投手の場合、左の方に曲がり、左投手の場合、右の方に曲がっていきます。
シュートは反対に、投げた手の方向に曲がっていくことになります。
ではどうして、ボールは曲がっていくのでしょうか。
それはピッチャーの投げ方に秘密があり、ボールをコマのように回転させて投げているのです。
逆に球の回転を抑えて、打者の手前で落ちる変化球などもあります。
○球の回転が空気の流れを変える!
ここでは、一般的にボールはなぜ曲がるのかを解説します。
ボールに回転を加えることにより、周りの空気の流れを変えることができます。
空気の流れの違いにより、ボールを横に押す力を作り出しているのです。
(イラスト:www.asahi.com)
時計の針と同じ向きにボールを回転させると、右側にボールが押されると、右投手の場合シュートで、左投手の場合カーブすることになります。
逆に時計の針と逆方向にボールを回転させると、左側にボールが押されると、右投手の場合カーブで、左投手の場合シュートすることになります。
実際プロ野球のピッチャーが投げるボールは、少し傾いて投げる場合が多いので、複雑な球の動きをします。
○球のスピンによる「マグヌス効果」とは?
ボールは空気抵抗を受ける他に、ボールのスピンにより気流により揚力が発生する。これを「マグヌス効果」と呼んでいます。
(図:journal.shingakunet.com)
マグヌス効果とは、ボールが進行方向に対して、風の影響とボールを回転するスピンによって、循環の流れによって変化する方向が決まります。
ボールにバックスピンをかければ、上向き方向に揚力が発生し、球の自由落下を抑え、直球に近い軌道を描き、打者の手前から少し球が浮きあがるような錯覚を与えます。
逆に球のスピンを小さくして、揚力を小さくするとにより直球に対して落ちるようなフォークボールやチェンジアップの効果を生じることができます。
スポンサードリンク
○球種には、何があるの?
球種(きゅしゅ)とは、ピッチャーが投げたボールを変化の方向・球速・回転などに分類されたものになります。
ピッチャーが投げたボールが、投球動作により球の回転や重力より、右方向、左方向、下方向、上方向に変化していきます。
・フォーシーム・ファストボール
直線的な軌道の速球を言います。
直球と言ってもれっきとした変化球です。
ボールが一回転する間に、ボールの縫い目が4回通過することから「フォーシーム」と呼ばれています。
(イラスト:rkyudo-sports.com)
メジャー・リーグでは、一般的にストレート(直球)と呼ばれている。
バックスピンをかけると、重力に逆らう揚力が生まれるため直線に近い軌道になり、打者からすると延びのある球となるわけです。
ツーシームは、ボールが一回転する間に、ボールの縫い目が2回通過することになります。
これは揚力が少ないため、打者の手前で球速が落ちるため、少しドロップしたようになります。
通常のストーとは、回転をかけずにただ直球として投げるものになります。
・カーブ
比較的遅い球速で投手の利き腕とは、反対方向に大きく曲がる変化球を言います。
(写真:henkanigiri.com)
特に球速が遅く大きく曲がる変化球をスローカーブ、垂直方向に大きく変化する変化球をドロップカーブと呼ばれている。
右投手であれば、ボールを右半分を重点に握る方法となります。
投げ方が分かりやすく、初心者でも比較的習得しやすい変化球と言われている。
・シュート
シュートは変化球の中でも早い部類になり、右投手で右打者の場合、球が食い込んでくるように変化します。
球が食い込んでくるので、打者はヘッドで捉えにくく、詰まった当たりをさせやすくなります。
特にファウルや凡打を誘いやすい狙いがあります。
コントロールがつけば長打や犠牲フライをさせることができます。
最近日本で主流のシュートは高速シュート呼ばれるものもあります。
握り方は、普通のストレートの握りを左にずらし、投球時に人差し指に力を入れることで、シュート回転させることができます。
・フォーク
フォークは、打者の手前で落ちる変化球です。
フォークはいかに球の回転を抑えるかがポイントとなります。
球の回転が小さいほど、急激に落ちていきますが、球速がないとワンバンドになってしまうこともあります。
握り方は、ボールの縫い目にかからないように、人差し指と中指でボールを挟んで投げます。
ボールを深く握れば、ボールの回転が抑えられ、球速も遅くなるため、球の落差は大きくなります。
・チェンジアップ
チェンジアップは、ストレートの腕の振りから回転の少ないスローボールとなります。
(写真:www.kpitcher.net)
一般的なチェンジアップは、打者の手元で減速して沈む変化球です。
しかしスローボールなので、打者には見切られることもあるので、ストレートと同じ投球フォームで、投げることが望ましいとされています。
ボールの握り方は、ボールの持つ指を一本ないし二本、あるいは三本立てて抜くボールとなります。
投手によっては、ボールの握りやひねりの工夫により変化するチェンジアップを投げる投手もいます。
・スライダー
カーブと投球が似ていますが、スライダーはリリース(ボールが手から離れる瞬間)時の投球に違いがあるのです。
(写真:www.himaraya.co.jp)
カーブは回転して投げるのに対して、スライダーはリリース時に、ボールの外側を切りように投げることにあります。
最近ではカットボールが注目されており。スライダーはとても重宝された投げ方となっている。
ボールの握り方は、縫い目に中指をかけ、さらに親指も縫い目にかけてボールを握ります。
親指の位置をずらすことにより、曲がり具合と球速の調整も可能となります。
・シンカー
シンカーは、シュートと同じ方向に曲がる変化球です。
シンカーは球速も遅く、沈むボールです。
(写真:シンカーの投げ方_www.junkballspirits.com)
ボールに緩急をつけることができれば、カーブと組み合わせることによって、効果的に打者を打ち取ることができます。
ボールの握り方は、一応シュートの握り方と同じですが、人差し指は軽く縫い目にかける。中指は縫い目にかけなくても良く、中指を調整することにより、球速も変わってきます。
抜いて投げるボールなので、力を入れずに軽く挟む程度に握る。
ストレートの投げ方でも投げることは可能です。
・カットボール
カットボールは小さく変化させて、バットの芯を外す球種となります。スライダーとストレートの中間ぐらいとなります。
(写真:カットボール_www.kpitcher.net)
ボールの握り方は二つあり、一つは中指は縫い目にかけ、人差し指は添えるだけ。
もう一つは直球の握りから、人差し指をわずかに中指の方にずらして握る方法です。
ストレートの握りから人差し指と中指を横にずらすのが一般的な握り方となっています。
○まとめ
・野球の球種は150種類以上もある。
・ピッチャーが投げる変化球は、左に曲がったり右に曲がったりする。
・ボールに回転を加えることにより、周りの空気の流れを変えて、左に曲がったり、右に曲がったりしている。
・ボールのスピンにより気流により揚力が発生し、「マグヌス効果」を発生させている。
・球種(きゅしゅ)とは、ピッチャーが投げたボールを変化の方向・球速・回転などに分類される。
スポンサードリンク