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奈良の大仏の大きさ・手つきには意味がある!

日本で大きな大仏として有名なのは、奈良にある東大寺の大仏と、神奈川県にある鎌倉の大仏がある。




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奈良の大仏の高さは、およそ15メートルで台座を含めると18メートルにもなり、重さは390トンもある大きな大仏である。

東大寺に残された文献の記録によると、大仏建造に携わった人の数は260万人以上、大仏を造るために使われた金属類はおよそ250トン、大仏の大仏殿を造るための木は、滋賀県や兵庫県などから運ばれたと記されている。

大仏特集_narashikanko.or.jp(絵:大仏特集_narashikanko.or.jp)

大仏ができあがるまでに、かかった年数は7年と言われている。

なぜ、こんな大きな「大仏」を何のために、造ったのか。

また、奈良の大仏と鎌倉の大仏で、「手つけ」が違うが、それには何の意味があるのか。




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○奈良の大仏は、なぜ大きいの?

724年に聖武天皇が即位した時代となる。

聖武天皇_blog.goo.ne.jp(絵:聖武天皇_blog.goo.ne.jp)

当時「天然痘」と病気が流行し、日本中に広まり多くの死者を出していた。

天然痘は中国または朝鮮半島から九州に入ってきたとされてる病とされている。

天然痘にかかると高熱になり、たとえ熱がひいても、吹き出物が身体中に出てて、下痢や咳、吐き気を引き起こし、苦しみながら死んでしまう。

天然痘_www.youtube.com(写真:天然痘_www.youtube.com)

当時は天候も悪く、作物が育たず食べるものがなく、更に大きな地震にもみまわれる状況、各地で反乱が起きていた。

聖武天皇の政治を助ける、周りの人たちも次々と亡くなっていった。

そこで、平和の願いを込めて聖武天皇は、各地に国分寺、国分尼寺のお寺を建てることになり、そして奈良の東大寺に「大仏」を建てることになった。

しかし、当時は大仏をつくる技術はなく、中国大陸や朝鮮半島から技術者を呼び寄せた。

当時人々の間で尊敬されていた「行基(ぎょうき)」という、お坊さんの助言を借りて、大仏造りを始めた。

行基_www.do-natteruno.com(写真:行基_www.do-natteruno.com)

752年ついに「奈良の大仏」は完成することになる。

大仏の大きさは、聖武天皇が願いを込めた大きさだった。

その後2回の火事に見舞われるが、その度に大仏は立て直されている。

ちなみに、大仏の頭についているブツブツは「らはつ」と呼ばれ、知恵を表すもので、仏像によってその数は違ってくる。東大寺の大仏の頭には966個も「らはつ」がある。

らはつ_takaoka.zening.info(写真:らはつ_takaoka.zening.info)

○仏像の「手つき」には意味があった!

「奈良の大仏」と「鎌倉の大仏」をよくみると、「手つき」が違うことに気づく。

奈良の大仏のように右手を挙げ左手を下げているものや、鎌倉の大仏のように、両手を膝の上で組み合わせているものがある。

この「手つき」のことを「印相」、略して「印」と呼ばれている。

印のうち、最も基本となるのは「釈迦の五印」と言われている。
この五つの印は、仏教の始祖でもある「お釈迦様」の姿からできたものになっている。

また、仏教の教えの一つでもある「密教」は、とても複雑な印をもっているのが特徴である。

「印」は仏様の言葉として考えられ、それぞれ意味がある。

仏像はことばを話す代わりに、印によって私たちに語りかけているのだ。

奈良の大仏は、右手を挙げて掌を前に向けた印相は「恐れなくてもよい」という意味がある。
一方、左手を下げて掌を前に向けた印相は、相手に何かを与える仕草を模したものと言われている。

奈良の大仏_blog.goo.ne.jp

(写真:奈良の大仏_blog.goo.ne.jp)

仏様が迷い苦しむ民衆を救い、悟りの境地に導こうとしているメッセージとなる。

「五つの印」の種類

①説法印(せっぽういん)
仏教の教えを話している姿をあらわす。

説法印_www.gokokuji.jp(イラスト:説法印_www.gokokuji.jp)

②定印(じょういん)
瞑想している姿は、心を集中させていることをあらわす。

定印_midajouin(イラスト:定印_midajouin)

③降魔印(ごうまいん)
悪魔を退散させることをあらわす。

降魔印_ndap.wzu.edu.tw

(イラスト:降魔印_ndap.wzu.edu.tw)

④与願印(よがんいん)
願いを聞き、その通りにするという約束をあらわす。

与願印_chuansong.me(イラスト:与願印_chuansong.me)

⑤施無畏印(せむいいん)
人々の恐れを取り除く約束をあらわす。

施無畏印_ja.wikipedia.org(イラスト:施無畏印_ja.wikipedia.org)

奈良の大仏は「施無畏印」と「与願印」で、当時の人々の恐れを取り除くことを約束をあらわし、鎌倉の大仏は、「定印」で心を集中する瞑想をあらわしている。

○まとめ

・日本の大仏として有名な「奈良の大仏」と「鎌倉の大仏」がある。

・奈良の大仏の高さはおよそ15メートル、重さは390トンもある。

・大仏は7年の年月をかけて完成している。

・奈良の大仏は、聖武天皇が病や飢饉や災害を取り除く願いを込めて建てたものである。

・仏像の「手つき」には意味があり、仏様が話す代わりのメッセージをあらわしている。




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