どうして「飛行機雲」はできるの?
皆さん空を見上げると、2本ないし複数の長い直線の雲ができているのを見たことはないでしょうか。
これは、いわゆる「飛行機雲」と呼ばれる、飛行機が飛んだ後にできる雲なのです。
飛行機雲は風により流され、やがて消えていきます。
スポンサードリンク
飛行機雲は地上から見ると、飛行機が飛んだ跡として残るため、軍用機の場合、敵に見つかってしまうため脅威となります。
そこでアメリカでは、飛行機雲を少なくする研究がされています。
アメリカ空軍のB-2ステルスには、塩化フッ化剤を排気に混ぜて、飛行機雲を抑えることも行っているのです。
しかし、100%飛行機雲を消すことができないのです。
レーダーでは捉えられないB-2ステルスですが、飛行機雲によって発見されてしまうことになります。
(下天の内)
ここで、どうして飛行機が飛んだ後に「飛行機雲」ができるのでしょうか。
○飛行機雲の正体ってなに?
空には雲があり、その雲を飛行機が通過すると、その雲を集めて飛んでいると、思っている方も多いのではないでしょうか。
実は飛行機雲は、飛行機のジェットエンジンから出る排気ガスの水分なのです。
車が走るときに排気ガスを出して走っています。
排気ガスは燃料にしたガソリンが、エンジンの中で燃えた後に出る「ガス」のことです。
飛行機も車と同じように、石油からつくった燃料を燃やして飛んでいますが、飛行機の場合、排煙ではなく雲になるのです。
燃料の中には水分は入っていませんが、飛行機の燃料として、レシプロエンジンの場合、ガソリンが使われています。
レシプロエンジンは、主に自動車船舶、20世紀前半までは航空機にも使用されていました。
最近では飛行機の燃料としては灯油をベースして、ケロシンが使われるジェットエンジンとなっています。
飛行機の燃料の中に含まれる「水素」と、空気の中に入っている「酸素」がくっついて、水ができるのです。しかし、この水は目には見えません。
エンジンの中はとても高温で、水は水蒸気のガスになっています。
飛行機が上空高いところを飛んでいくと、水蒸気はエンジンの排ガスとして放出され、周りの冷たい空気の中で冷やされ、水蒸気は、目に見える水の粒となります。
冷たい空気はあまり多くの水分を含んでおくことができず、この水の粒がたくさん空気の中に残り、雲になるのです。
(飛行機雲_Yahoo!検索 )
○飛行機雲は低いところではできにくい!?
飛行機が上空高く飛んでいるときに、飛行機雲ができます。
飛行機雲は、ジェット機だけでなくプロペラ機でもできます。
上空、中緯度地域である5,000m~13,000mの高度に、飛行機雲が多く存在しています。
それよりも低い上空では、飛行機雲はできないのです。
雲は、大気中にかたまって浮かぶ水滴または氷の粒のことです。
雲をつくる水滴や氷晶(ひょうしょう)の1つ1つの粒が雲粒となり、地上付近では、霧となります。
季節や天候にもよりますが、上空低いところではあまり気温が低くないため、エンジンから出た水蒸気は、水蒸気のまま空中で散らばってしまうからです。
スポンサードリンク
○飛行機雲が消えないときは雨がふる?
秋晴れが気持いい季節です。晴れた空を見上げると、飛行機がきれいな雲を残して飛んでいくのが見えます。
この飛行機雲で、天気が分かるのです。
飛行機が高速で上空で飛ぶときに、空気が膨張し冷えて、翼の端などで空気の渦ができることにより、雲ができます。
飛行機雲がすぐに消える場合は、上空が乾燥しているため晴天となっています。
飛行機雲がなかなか消えない場合は、雨が降るのが近いと言われているのです。
(TALOログビレッジ通信)
○まとめ
・「飛行機雲」と呼ばれる、飛行機が飛んだ後にできる雲である。
・飛行機雲は、飛行機のジェットエンジンから出る排気ガスの水分のこと。
・飛行機も車と同じように、石油からつくった燃料を燃やして飛んでいますが、飛行機の場合、排煙ではなく雲になる。
・飛行機の燃料の中に含まれる「水素」と、空気の中に入っている「酸素」がくっついて、水ができる。
・周りの冷たい空気の中で冷やされ、水蒸気は、目に見える水の粒となり雲になる。
スポンサードリンク