土星の輪がときどき消えることがあるって本当?
土星は惑星の中でも、唯一大きく美しいリング(輪・環)を持つ惑星として有名である。
他の惑星もリングを持っていると言われているが、はっきりとしたリングを観測できるのは、土星だけである。
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このリング(輪・環)は、1610年にガリレオ・ガリレイが世界で初めて土星を観測したときから、知られるようになった。
(絵:ガリレオ・ガリレイ_matome.naver.jp)
当時は性能よい望遠鏡ではなかったので、今よりはっきり土星のリングを観測できるものではない。ガリレオは手記に「土星には耳がある」と記している。
ガリレオ・ガリレイは、「地動説」を説いたことでも有名で、コペルニクスが「天動説」を説くまでは、惑星(主に太陽)や天体は地球を中心に周っているとする「地動説」が主流であった。
1655年オランダの天文学者であるクリスティアーン・ホイヘンスによって、土星にはしっかりとしたリングが存在することを観測されるようになった。
(絵:クリスティアーン・ホイヘンス)
ホイヘンは、自作した口径57mm、焦点距離3.3m、50倍の望遠鏡で土星の衛星タイタンを発見した。
焦点距離7mの望遠鏡を使って、土星の付属する奇妙な環があることを観測している。
土星のリングは、直径約27万kmと、土星の直径の約2倍に相当する。
そんな土星の周りのリングであるが、リングの厚みは数十~数百mととても薄いことが知られている。
土星のリングは、細かい氷の粒やチリがたくさん集まってできている。たくさんの粒が整然と並んでいるために、遠くから見ると土星のリングが平面に見えるようになる。
リングは1本の幅ではなく、7本のリングに分かれていることも明らかになっている。
(写真:宇宙情報センター_spaceinfo.jaxa.jp)
一番外側のリングは、土星の中心から48万km離れていることも観測されている。
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○土星の輪が消えることがあるの?
皆さん土星の輪が消えることがあるという、話しはご存じでしょうか。
土星の輪が消えてしまえば、それは土星とは言えないと思っている方もいるのではないでしょうか。
実は2009年に、土星の周りのリングが、消えるという現象が起こっている。
これは、土星のリングが物理的になくなってしまうのではなく、その後すぐにリングは復活して見えたという。
地球からみた場合、15年に1回の割合で土星のリングが消える現象が起こっている。
(図:国立科学博物館_www.kahaku.go.jp)
それは土星のリングが、数十~数百mととても薄いことが関連している。
土星は30年の周期で太陽を1周している。
地球から見たときに、土星のリングの傾きは大きくなったり、小さくなったりと変化している。
そして、15年ごとに地球からみた土星のリングが真横からみるタイミングと一致するのだ。
このときに、土星のリングが消えたように見えることになる。
前回2009年に土星のリングが、消えたことを観測している。次回は、2025年に土星のリングが消える現象を観測できることになる。
しかし太陽に一番近い場所で起こる現象なので、リングが消える時期に土星を観測するのは非常に難しいとされている。
リングが消失する現象観測しやすい時期、2038年から2039年にかけてと、まだまだ先の話しであるいう。
○まとめ
・土星は他の惑星の中でも、ひときは大きく美しくはっきりとしたリングを持っている惑星である。
・土星のリングは最初ガリレオ・ガリレイが土星には耳があると記したことが最初である。
・その後クリスティアーン・ホイヘンスによって、土星にはリングが存在することを観測されるようになった。
・土星のリングは直径27万kmと土星の直径の約2倍に相当する。
・しかしリングの厚みは数十~数百mととても薄いものであった。
・リングは7本のリングに分かれている。
・2009年に土星のリングが消えるという現象が起こっている。
・15年ごと地球からみた土星のリングの傾きが真横になり、それでリングが消えた現象になっていた。
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