黒部ダム建設で最大の難関はトンネルの破砕帯だった!
富山県と長野県の県境にある「黒部ダム」は、立山連峰の豊かな自然に囲まれた、立山黒部アルペンルートに位置しています。
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ダムは、川の水をせきとめ、飲み水や田畑に引く水、水力発電として利用する場合もあります。
戦後日本が多くの電気を使うようになり、1956年から「20世紀最大のダム建設」が行われたのです。
それが「黒部ダム」と呼ばれているものです。
富山県の黒部渓谷の谷間に「ダム建設」が始まったのです。
黒部ダムの高さは日本一で、関西電力が水力発電として建設したダムとして有名です。
高さは186メートルで日本一を誇り、総貯水量は約2億トンとなっています。年間100万人近くの観光客が訪れています。
今から60年以上前に建設されたダムで、日本を代表する「アーチ式ダム」として知られていている。
(写真:黒部ダム_www.jalan.net)
総工費は建設当時の費用で513億円で、これは関西電力の資本の5倍とも言われています。
現在では、関西電力・黒部ダム第4発電所として水力発電に利用されています。
○「黒部ダム」建設は苦労の連続だった!
まずダムを建設するために、大量のコンクリートや鉄などや、建設資材を運ぶためのブルドーザーやクレーンなども必要でした。
しかし黒部渓谷は北アルプスに位置し、自動車も入っていけないほどの険しい山の中にあった。
(写真:黒部ダム建設の記録_damnet.or.jp)
ダム建設は、まず材料や機械を運ぶ道づくりから始めることになります。
建設には述べ100万人が携わり、着工から7年かけて完成したダムとなります。
建設当初は、道などありませんから、たくさんの人が重い荷物を背負い、険しい山を超えて、何度も何度も建設現場に足を運ぶことになったのです。
一部大型機械や資材などは、ヘリコプターなどで運んだようです。
工事期間中に転落、トラックやトロッコなどによる労働災害で殉職者は171人にも及んでいる。
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○ダム建設とは、別にトンネル工事が最大の難関だった!
ダム建設のために、道路整備も同時に行われた。
道を完成させるために、長さ5キロメートルほどのトンネルが掘られることになった。
トンネルを掘る過程で、最初は順調に進んでいたのですが、途中でトンネルを支えていた鉄の柱が折れて、冷たい水があふれ出したのです。
この冷水が「破砕帯」と呼べれるもので、岩の中にたくさんの水がしみ込んでいた場所に、ぶつかってしまったのです。
(写真:破砕帯_www.ganken.jp)
破砕帯の長さは、たった50メートルしかありませんでしたが、トンネル工事には最大の難関と言われ、死者などが多数でることになったのです。
しかし、この破砕帯を突破しなければダムは完成しません。
次から次へと溢れて出てくる水の影響で、工事は困難を極めていました。
破砕帯を冬に凍らせて、それで作業をするということで、一気に作業は進んでいきます。
トンネルが開通して、やっと半年後にダム建設を開始することになりました。
それから5年後の1963年6月、ついに日本を代表するダムが完成することになります。
ダムの高さは186メートルと日本一。
溜められる水の量は2リットルのペットボトルでおよそ1000億本という。
黒部ダムは、一般家庭100万戸分に相当する電気を発電することができます。
○「黒部ダム」の観光
黒部ダムの最大の観光としては、日本一を誇る高さからの「放水」でしょうか。
放水は、毎秒10トン以上の水が一気に放水されるわけですから、「ゴー」という水しぶきをあげながら、放水するシーンは圧倒されます。
天気のいい日は、水しぶきで虹などもかかることもあるという。
(写真:黒部ダムと北アルプス_matome.naver.jp)
放水期間は、6月26日~10月15日(平成28年)までとなっています。
6/26~7/31 6:00~17:30
8/1~9/10 6:00~17:00
9/11~10/15 7:00~16:30
黒部ダム駅から地中階段を登り、標高1,500メートルの展望から立山連峰をはじめ、北アルプスの大パノラマも楽しむことができます。
○まとめ
・「黒部ダム」は立山連峰の豊かな自然に囲まれたところにある。
・「黒部ダム」は関西電力が水力発電として利用するために、建設された。
・高さ186メートルで日本一、総貯水量は2億トン。
・黒部ダムは、60年以上前に建設された日本を代表する「アーチ式ダム」である。
・「黒部ダム建設」は困難の連続であった。
・ダム建設とは別に、トンネル工事が最大の難関だった。
・「黒部ダム」は1963年6月に完成した。
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