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磁石につく金属でどうして鉄はくっついて、アルミはくっつかないの?

磁石(じしゃく)でくっつくものと言えば、もっとも知られているのが「鉄(てつ)」になります。





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皆さんが小学校の頃、鉄でできた釘(くぎ)やクリップなどを使って、磁石にくっつけて実験(じっけん)したのではないでしょうか。

磁石(マグネット)は、2つの極性(N極とS極)を持ち、双極性(そうきょくせい)の磁場(じば)を発生させる源(みなもと)になる物体のことで、鉄などを引き寄せる性質を持っています。

異(こと)なる局(きょく)は互いに引き合い、同じ極同士は反発する性質(せいしつ)をもっています。

磁極(じきょく)には、N極とS極の2つがあり、これらは単独で存在することはなく、必ず両極が一緒になって磁石を形成しているのです。

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「鉄」以外にも、「コバルト」、「ニッケル」といった金属(きんぞく)が磁石にくっつきますが、こうして磁石にくっつく金属を「強磁性体(きょうじせいたい)」と言います。

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金属は、顕微鏡(けいびきょう)で拡大すると「原子(げんし)」と「電子(でんし)」があります。

中でも電子はいろいろな方向に回っていて、地球が太陽の周りを回っているように、電子は原子核(げんしかく)の周りを回っています。

磁石をくっつけると、その電子が同じ方向になって、磁石が金属にくっつくことになるのです。

銅やアルミなどは、磁石を近付けても、この電子の方向がそろわないで、ばらばらになっている状態なので、磁石をくっつくけてもくっつかないことになります。

磁石そのものは、「永久磁石(えいきゅうじしゃく)」と言って、鉄のように外部から磁場の供給を受けることなく、N極とS極が分かれていて、磁石として比較的長期にわたって保持し続けています。

○磁力が「鉄」を磁石にしている!

鉄は、通常原子の集団がバラバラになっているので、磁石のように、N極とS極に分かれていないのです。

ここに磁石を近付けると、磁石から発生する「磁力(じりょく)」によって、原子の集団が同じ方向に向くようになります。

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すると、磁石のようにN極とS極に分かれた状態になるため、鉄自体が磁石となって、くっつくことになるのです。

つまり、鉄が磁石にくっつくのは、磁石の磁力によって、鉄全体も磁石となっているから、くっつくことになります。

%e7%a3%81%e7%9f%b3_%e3%82%b3%e3%83%88%e3%83%90%e3%83%b3%e3%82%af(磁石_コトバンク)

磁石にくっついたクリップを、他のクリップに近付けると、どんどん引き寄せられて、くっついていきます。

これもクリップ自体が磁石に変化しているからなのです。

ドライバーの先端を、永久磁石によって、磁気化するとネジなどをくっつけて、とても便利に使うことができます。

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しかし、磁力が弱いため長くは磁力を保持することはできません。




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○コイルの中で磁石を動かすと電気が発生する!?

電線をぐるぐる巻いたものを「コイル」と言います。

このコイルのそばで磁石を動かすと、コイルの両端には電気が発生します。

コイルのそばで磁力の変化があると、コイルの両端には電気が発生することを、「電磁誘導(でんじゆうどう)」と言います。

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発生する電気の大きさ(電圧)は、磁力の大きさやコイルの巻き数に関係します。

皆さん「フレミング左手の法則」という言葉を聞いたことはないでしょうか。

これは、ジョン・フレミングによって考案(こうあん)された、磁場内(じばない)において、電流の流れる導体に力が発生する現象で、それぞれの向きの関係を示したものです。

左手のそれぞれの指を、電流と磁力と力に見立てたものになります。

人差し指の方向に磁力線が走っているときに、中指の方向に電流を流すと、親指の方向に力が働くこというものです。

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この原理を応用したものが、夢の超特急「リニアモーターカー」となります。

リニアモーターは、円筒状の交流モーターを帯状(おびじょう)に展開(てんかい)し、回転運動(かいてんうんどう)の代わりに直線運動(ちょくせんうんどう)をするようにしたものです。

リニアモーターカーは、車両の電磁石(でんじしゃく)と、軌道上(きどうじょう)の推進用(すいしんよう)コイルの間で、反発と吸引力によって、進むことができます。

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レールの上で車輪を回して走らせる新幹線(しんかんせん)に比べて、摩擦抵抗(まさつていこう)が少ないリニアモーターカーは、600km/hを記録しています。

新幹線の最高速度(さいこうそくど)が200km/hとすると、その3倍の速度になるわけです。

営業運転の速度は、500km/hとなるようですが、東京-大阪間を67分で走行することになると言われています。

今まで2時間半~3時間かかっていたのが、67分ということになり、通勤圏内となる日も間近となっています。

○まとめ

・磁石でくっつくものと言えば、もっとも知られているのが「鉄」である。

・磁石は、2つの極性(N極とS極)を持っている。

・異なる局は互いに引き合い、同じ極同士は反発する性質をもっている。

・「鉄」以外にも、「コバルト」、「ニッケル」といった金属が磁石にくっつく。

・磁石をくっつけると、その電子が同じ方向になって、磁石が金属にくっつくことになる。

・銅やアルミなどは、磁石を近付けても、電子の方向がそろわないで、磁石をくっつくけてもくっつかない。

・磁石そのものは、「永久磁石」と言う。

・コイルの中で磁石を動かすと電気が発生する。

・コイルのそばで磁力の変化があると、コイルの両端には電気が発生することを、「電磁誘導」と言う。

・「フレミング左手の法則」で説明できる。

・人差し指の方向に磁力線が走っているときに、中指の方向に電流を流すと、親指の方向に力が働くこというもの。

・この原理を応用したものが、夢の超特急「リニアモーターカー」となる。




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