チョコレートの成分はカカオ豆で昔は苦い飲み物だった!?
2月14日は「バレンタインデー」で、日本では女の子が好きな男の子に、チョコレートをあげて、恋の告白をするような習慣があります。
最近では「義理(ぎり)チョコ」と言われ、会社で女性社員が、義理で男性社員にチョコをあげるものになっています。
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チョコレートは、カカオの種子を発酵(はっこう)して焙煎(ばいせん)したカカオマスを主原料(しゅげんりょう)として、これに砂糖(さとう)、ココアバター、粉乳(ふんにゅう)などを混ぜて練(ね)り固めたものです。
チョコレートは、もともとフランス語の「ショコラ」から、きています。
最近では、高カカオのチョコレートが流行(はや)っていて、濃厚(のうこう)で香(かお)りの高い、チョコレートが人気となっている。
甘いだけのチョコレートではなく、70%~99%のカカオが含まれているので、濃厚(のうこう)な香りで、便秘(べんぴ)やダイエット、紫外線予防(しがいせんよぼう)の効果(こうか)もあると言われています。
(写真:株式会社ハウディ)
○昔のチョコレートは甘くなかった!
今ではチョコレートと言うと、甘くておいしいものになっています。
しかしチョコレートの主成分である「カカオ」は、苦(にが)いものなのです。
(写真:カカオ豆_Naverまとめ)
先ほど高カカオで70%~99%のカカオが入っていると、本来のカカオ豆の香りを楽しむことができますが、食べるととても苦いものになってしまいます。
この苦いカカオは、昔は薬として煎(せん)じて飲まれていたこともあります。
いつごろから、カカオを食べる習慣になったのでしょうか。
チョコレートの主な原料(げんりょう)は、カカオの実ですが、300年ほど前、アメリカ大陸のユカタン半島(今のメキシコ)のマヤ人によって、栽培(さいばい)されていたとされています。
1492年、新大陸を発見した「コロンブス」は、カカオの実をそのとき発見しています。
その後、スペイン人の「エルナン・コルテス」が1519年にアステカに上陸してときに、初めてチョコレートを飲んだといいます。
(肖像画:エルナン・コルテス_The Naval Data Base.)
その頃のチョコレートは、カカオ豆を火であぶり、水気(みずけ)をとばして粉(こな)にしたものを、お湯に溶(と)かして飲んでいました。
つまりココアのような茶色、飲み物だったのです。
砂糖が入っていなかったため、とても苦いものだったそうです。
苦くて、なんだか飲むと元気になる、このふしぎな飲み物に興味(きょうみ)をもったコルテスは、カカオをスペインに持ち帰り、人々に広めたのです。
こうしてカカオは、ヨーロッパの国々に広まっていき、王様や貴族がチョコレートを飲むようになりました。
日本で初めてチョコレートを食べたのは、「伊達政宗(だてまさむね)」の家来(けらい)だった支倉常長(はせくらつねなが)だと言われています。
(肖像画:支倉常長)
○19世紀には甘くておいしいチョコレートが誕生!
19世紀に入るとチョコレートは大きく変化していきます。
1828年、オランダ人の「バン・ホーテン」は、カカオから脂肪分(しぼうぶん)を減(へ)らした「ココアパウダー」をつくることに成功(せいこう)する。
(肖像画:バン・ホーテン_Amazon)
これによって飲みにくかったチョコレートが、よりおいしくなったと言われています。
そして1847年には、イギリスの「ジョセフ・フライ」が、ココアに砂糖(さとう)とバターを混ぜて、それまでの飲み物ではなく、固めて板状(いたじょう)したチョコレートを完成させました。
(肖像画:板チョコレートの父 ジョセフ・フライ_アメーバブログ)
しかし、味はまだまだ苦いものでした。
1875年、スイスのダニエル・ピーターがヘンリ・ネスレと協力して、甘いコンデンスミルクを混ぜたミルクチョコレートをつくったのです。
砂糖の甘さとミルクのまろやかさが、カカオの苦みを打ち消して、とてもおいしいお菓子(かし)となっていきました。
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○カカオ豆は昔お金だった!
チョコレートの材料に含まれている「カカオ豆」は、16世紀のアステカ時代は、お金として使われていました。
(写真:カカオ豆実物_濃紺ピッチャー)
カカオ豆が何個で何が買えるかを記(しる)した、料金表(りょうきんひょう)が、メキシコの古文書(こぶんしょ)に残っています。
カカオ豆がお金になったのには理由があります。
そもそもカカオ豆を食べることができたのは王様や貴族だけで、とてもカカオ豆は貴重(きちょう)なものだったのです。
カカオ豆がお金としての価値(かち)をもつと、カカオ豆の皮(かわ)に土などをつめた、偽物(にせもの)が出回ったこともあったそうです。
ここでカカオ豆から、どうやってチョコレートがつくられるのでしょうか?
まず、カカオ豆を砕(くだ)いて、煎(い)ります。
それをすりつぶして、ドロドロの状態(これをカカオマスと言う)にします。
そこにすりつぶしたときに出た「ココアバター」や乳製品(にゅうせいひん)である全脂粉乳(ぜんしふんにゅう)、脱脂粉乳(だっしふんにゅう)、クリーム粉乳、砂糖(さとう)などを入れて混ぜます。
これをよく練(ね)って滑(なめ)らかにして、型(かた)に流し込んで冷やせば出来あがりです。
甘くて、まろやかでおいしいチョコレートですが、昔はお金のように貴重なものだったことは不思議ですね。
○まとめ
・2月14日は「バレンタインデー」。
・チョコレートは、カカオの種子を発酵して焙煎したカカオマスを主原料として、これに砂糖、ココアバター、粉乳などを混ぜて練り固めたもの。
・チョコレートは、もともとフランス語の「ショコラ」から、きている。
・苦いカカオは、昔は薬として煎じて飲まれていた。
・チョコレートの主な原料は、カカオの実ですが、300年ほど前、アメリカ大陸のユカタン半島(今のメキシコ)のマヤ人によって、栽培されていた。
・カカオは、ヨーロッパの国々に広まっていき、王様や貴族がチョコレートを飲むようになった。
・1828年、オランダ人の「バン・ホーテン」は、カカオから脂肪分を減らした「ココアパウダー」をつくることに成功する。
・1847年には、イギリスの「ジョセフ・フライ」が、ココアに砂糖とバターを混ぜて、それまでの飲み物ではなく、固めて板状したチョコレートを完成させた。
・チョコレートの材料に含まれている「カカオ豆」は、16世紀のアステカ時代は、お金として使われていた。
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