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富山県は「木製バット」の生産量が日本一!

春・夏の甲子園をわかす高校野球では、金属バットが使用されています。
プロ野球では、金属バットに代わり、木製バットを使用するようになります。




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高校野球で大会記録を出した高校球児も、プロ野球になって金属バットから木製バットに代わってから、全く打てなくなったという話をよく耳にします。

それは、木製バットは金属バットと違い、バットが球に当たるスポットが、狭いことが理由の一つにあります。

木製バットの場合、しっかりバットの芯に当てないと、なかなか遠くに飛ばないからです。

木製バットで打った球の方が、金属バットよりも遠くに飛ぶので、プロ野球では、木製バットを使用しているのです。

それは、木製バット特有の「しなり」と、球に当たったときの「弾性力」が飛距離に繋がっているとされています。

さて、野球で使用されている「木製バット」の生産量日本一は、富山県南砺市(とやまけんなんとし)の福光(ふくみつ)地域で、生産されているのです。

この地域は人口わずか2万人程の小さな町で、2004年に市町村の合併により南砺市になっています。

SnapCrab_NoName_2016-6-9_20-12-33_No-00(地図:Google Map)

なぜ、こんな小さな地域で、日本のプロ野球を支える「木製バット」の生産量が日本一なのでしょうか。

○「木製バット」は公認業者だけが生産を許されている!

1960年代の野球ブームのころ、この福光(ふくみつ)地域はバット生産の有数な産地となりました。

福光地域は、昔から木工産業が盛んで、その資源と技術を活かし、大正時代の後期から木製のバットを生産をしています。

そんな中でプロ野球では、バットの生産を許可された業者だけが作ることができる、いわば独占事業だったのです。

公認されている業者は、わずか22社だけで、そのうちの7社が福光地域の業者で、全国シェアの約4割を生産しています。

市内には、南砺バットミュージアムがあり、これまで注文を受けた名選手や、メジャーリーグの有名なバットなどが展示されています。

ここで作られる、バット技術は多くの野球選手の信頼を得ているのです。




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○木製バットの材質と形状には、意味があるの?

プロ野球選手にとって、バットは大切な商売道具です。

バットの仕上がり次第で、そのシーズンの成績を左右するとも言われ、重要なものとなっています。

バット職人は、選手のそれぞれの細かい要求に応えなければなりません。その職人たちの技術が日々磨かれているのです。

・木製バットの材質
木製バットの材料は、アッシュ材やハードメイプル、ヒッコリーなどが使用されています。

木製バットの樹種といては、アオダモやヤチダモなどが良く使われています。

アオダモ_www.fri.hro.or.jp(写真:アオダモ_www.fri.hro.or.jp)
材質が柔らかく、バットを振った時にしなりが出るなどの特徴をもっています。

プロ野球では、木製バットを維持するために、林野庁に国有林のアオダモの適材を安定的に供給されるように、要請しているのです。

最近では、メジャーリーグを目指す日本人が多くなってきたため、アオダモ以外のホワイトアッシュなどの木材を使う選手も多くなってきていると言います。

米タモホワイトアッシュ_shop.woodworks-marutoku.com(写真:米タモホワイトアッシュ_shop.woodworks-marutoku.com)

・バットの形状
バットの形状は先端にボールが当たる部分(ヘッド)は、太くなっていて、バットを握る部分(グリップ)は細く、握りやすくなっています。

www.amazon.co.jp(写真:www.amazon.co.jp)

バットの形状は、「公認野球規則 1.10」にバットの規則が明記されています。

この規定は、プロ野球、高校野球、社会人野球、軟式野球についてバットの基準が定められているのです。

これは、いずれも異常に打球が飛ぶような不正行為を防ぐために、規定されているのです。

○木製バットのできるまで!

木製バットができるまでに、バットより太めの長い角材を用意する。

材質は、アオダモ、ホワイトアッシュ、トネリコなどの木を、硬さの好みによって使い分けている。
現在は、輸入材が多いのが現状となっています。

45日~60日間乾燥させた後に、旋盤で仕上げ完成直前の形になるまで削ります。

球春へバット出荷最盛期 福光(写真:球春へバット出荷最盛期 福光)

ロクロを使って手作業で本削りを行っていきます。ここが選手の好みによって、職人が要望に応える技術となります。

福光地域_特産品(写真:福光地域_特産品)

日本のプロ野球のバットは、長さ106.7センチメートル以下、直径7.0センチメートル以下と規定されています。

プロ野球選手で有名な松井秀喜やメジャーリーグのイチローなどのバットをつくった人は、保田五十一さんと言われている。

保田五十一さんの作り方は、7センチメートルの角材を3~4カ月間自然乾燥させ、40日間真空乾燥します。

そして荒削り後、職人の手作業で30分程度で仕上げいきます。

○まとめ

・高校生野球では金属バット、プロ野球になると木製バットに代わる。

・木製バットの場合、芯に当てるスポットが狭く、技術的要素が大きい。

・木製バット特有の「しなり」と「弾性力」で金属バットよりも飛距離が伸びる。

・「木製バット」の生産量日本一は、富山県の南砺市で作られている。

・富山県南砺市の福光地域では、日本のシェアの4割を生産している。

・木製のバットは公認業者だけが、作ることを許されている。

・南砺市にはバットミュージアムがあり、メジャーリーグの有名選手のバットなどが飾られている。

・木製バットの材質には、アオダモやヤチダモなどの木が使われている。

・バットの形状は「公認野球規則 1.10」に明記されている。




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