瓶詰と缶詰はナポレオンが開発のきっかけだった!?
瓶詰(びんづめ)と缶詰(かんづめ)の違いはご存じでだろうか。
瓶詰(びんづめ)は、野菜や果物などの食品を、ガラスなどの容器に入れたもの。
保存性を高めるために、低温殺菌など行い腐敗を防止する方法が一般的であるが、長期保存するために以前は塩など混ぜて保存していた。
缶詰(かんづめ)は、微生物による腐敗などを防ぐために加熱・殺菌処理し、金属缶に密封したもの。
長期保存に適しており、乾燥した食品などは単に金属缶に詰めて密封したものは「缶入り」と呼ばれ、一般の缶詰とは区別されている。
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瓶詰は、一般家庭において手軽につくることができるが、缶詰は業者が行うことになる。
今では、瓶詰や缶詰はいろいろなものができて、販売されている。
特に缶詰は長期保存ができ、輸送用に便利なので、缶コーヒーや缶ジュースなどにも使用されている。
さて輸送用に便利な瓶詰や缶詰ですが、誰が発明したものか、ご存じでしょうか。
○ナポレオンが発明のきっかけ!?
瓶詰と缶詰は、19世紀のはじめにヨーロッパで発明されている。
最初に発明されたものは瓶詰とされている。
当時フランスをおさめていた、ナポレオン(1769年-1821年)は、領土を広げるために、各地に軍隊を送っていた。
ナポレオン1世というと皆さんご存じの「ナポレオン・ボナパルト」が有名である。
(絵:ナポレオン_link-youth.com)
フランス革命後の混乱したフランスを、軍事独裁政権を樹立(じゅりつ)し、イギリス、ロシアとオスマントルコ帝国の領土を除いたヨーロッパ大陸の大半を支配していた。
当時ナポレン率(ひき)いるフランス軍は、問題が発生していた。
軍隊の人たちは、いつも食べ物不足に困っていたのである。
というのは、食品が長期保存でき輸送できるものがなかったからだ。
そこでナポレオンは、「腐(くさ)らず、味も変わらず、持ち運びに便利で、食べ物を蓄(たく)える方法はないかと、人々に呼びかけた。
○「瓶詰の祖」とされるニコラ・アペール!
その頃、フランスに「ニコラ・アペール(1749年-1841年)」という人物がいた。
(絵:ニコラ・アペール_ja.wikipedia.org)
彼はフランス革命運動に参加し、3ヶ月間投獄(とうごく)されている。
アペールは、軍隊の人たちや、長い間船に乗って仕事をする船乗りのために、食べ物を長い間保存する方法はないか考えていた。
彼は、料理した物を熱いうちに瓶に入れ、それから空気が入らないように、瓶ごと2時間ほど湯に入れてから蓋(ふた)をすれば、食品が長持ちすることを考えた。
(写真:nichijou-kissa.com)
しかし、一番最後の瓶にしっかりせんをする方法が見つかっていなかった。
それから研究を重ね、ついに1804年に「瓶にコルクのせんをして、最後にロウで蓋(ふた)をする」ことを思いついた。
この方法で、パリ近郊で保存食品製造所を開いて、瓶詰の製造を開始する。
これにより、ナポレオン率いるフランス政府は、新しい食品貯蔵法(しょくひんちょぞうほう)について、懸賞金を手にいれることができた。
彼の考案した方法で作った3本の瓶詰ミルクを、6年後開封され試飲(しいん)され、この方法が正しいことが証明された。
今では、ワインの瓶などに利用されている。
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○瓶詰よりも丈夫な缶詰が考案される!
保存に便利な瓶詰食品であったが、落としたりぶつけたりすると割れてしまうことが難点であった。
またガラスの瓶は重く、持ち運びには不便なものであった。
イギリスの「ピーター・デュランド」がいた。
彼は、1810年に金属製容器に食品を入れる缶詰を発明した。
(写真:ピーター・デュランド_www.seikan-kyoukai.jp)
しかし初期の缶詰は、殺菌の方法に問題があり、たびたび中身が発酵(はっこう)して、缶が破裂(はれつ)する事故も起こっていた。
1833年フランスの「アンシルベール」よって、缶の蓋の周りをはんだ付けし、熱で溶かして缶を開ける方法が考案された。
しかし、はんだ付けしてあるため、開けるのも大変なもので、道具を使わないと開けられなかった。
しかし、食品を持ち運びに便利で長期保存ができ、しかも軽い缶詰となった。
(写真:gigazine.net)
当時の軍隊の人たちは、剣で缶詰を開けたりしていた。
今では道具を使わずに、缶詰を開けることができようになっている。
瓶詰も缶詰も、発明から50年ほどかかって、便利に使えるようになっていった。
○まとめ
・19世紀はじめまで瓶詰や缶詰のような長期保存できるものがなかった。
・ナポレン率いるフランス軍は、いつも食糧難に見舞われていた。
・そこで、ナポレンは国民に食品が長期保存でき輸送できるものを発明するように懸賞金をかけた。
・瓶詰を発明したのはフランスの「ニコラ・アペール」である。
・しかしガラスの瓶は重く、持ち運びには不便なものであった。
。イギリスの「ピーター・デュランド」やフランスのアンシルベールによって、缶詰が考案された。
・瓶詰も缶詰も、発明から50年ほどかかって、便利に使えるようになっていった。
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