オリンピックのマラソンの距離は王女のわがままで決まった!?
オリンピックの種目であるマラソンの距離が42.195キロメートルという、何か中途半端な距離だと思ったことはないでしょうか。
実は王女のわがままで決まったのです。
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1908年のロンドンオリンピックでは、26マイル(41.842キロメートル)でした。当初のスタート地点は、ウィンザー城の門の前からスタートしてしていました。
(写真:ウィンザー城_dacapo.magazineworld.jp)
しかし当時のイギリスの王女が「スタート地点は、お城の部屋から見えるように。」ということで、城の庭からスタートすることになったのです。
(写真:アレクサンドラ・オブ・デンマーク_ja.wikipedia.org)
26マイルだった距離が26マイル385ヤード(42.195キロメートル)に延長されたのです。
第1回オリンピック大会では、マラトン古戦場からアテネの競技場までの36.750キロメートルで、第5回では40.2キロメートル、第7回では42.75キロメートル、マラソンで走る距離がまちまちでした。
「42.195キロメートル」を正式な距離として採用したのは1921年で、オリンピックで正式に採用したのは1924年のパリオリンピックからとされています。
1908年の第4回ロンドンオリンピック大会の距離を採用したのです。
(写真:ロンドンオリンピック (1908年)_ja.wikipedia.org)
まさにイギリス王女のわがままが、今のオリンピックの距離を決めたことになるのです。
○マラソンの語源は古代の「マラトン」からきている!
マラソンは、近代オリンピックの第1回アテネ大会(1896年)のときに、誕生した競技です。
マラソンの語源は、紀元前490年までさかのぼります。
「マラトン」という土地で、当時ギリシャ軍がペルシャ軍を破ったときに、ギリシャ軍の一人の兵士が、勝利を伝えるために、約40キロメートル離れた、アテネまで走ったことに由来しています。
(図:マラソンの定義)
この話が事実かどうかは諸説ありますが、「マラトン」が「マラソン」のはじめての語源となったわけです。
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○マラソンの距離は、どうやって測定しているの?
マラソンで走るコースの距離の測定方法は、厳密に決められています。
マラソンのコースの長さは、競技距離よりも短くてはならず、誤差は競技距離の1000分1以下であることとされています。
コース上では、道路の真ん中を走るのか、道路の端を走るのかによって、ラインの取り方によって、距離が異なってしまいます。
国際陸上競技連盟の公認公式計測員の資格を持つものが、計測しているのです。
そこで道路で計測する場合、測定する方法が決められているのです。
・基本のラインは歩道側の端から30センチメートル車道側
・左カーブは歩道側の端から30センチメートル車道側。
・右カーブは道路のセンターラインから30センチメートル内側。
・S字カーブは指定点を結ぶ最短ライン。
(図:マラソン距離測定方法_frytiger.com)
実際の測定方法は、公式のカウンターを付けた自転車での計測と、長さ50メートルのワイヤを使っての計測の2つがあります。
・自転車にカウンター計を取り付けた計測
国際連盟で定められたカウンターをつけた自転車を使用します。
(写真:公認マラソンコース計測は警察官)
カウンターの目盛りは、自転車の7センチメートルほど進むとカウンターが一つ進みますが、気象条件や測定する人の体重に影響されてしまうのです。
そこでワイヤで測った400メートルの直線を何度か走って、1キロメートルでカウンターの目盛りがいくつ進むかを計算して、測定前に検定しているのです。
・ワイヤーロープを使った測定
直径5ミリメートル、長さ50メートルの鋼鉄製のワイヤーを使って、測定する方法があります。
(写真:マラソンの 42.195km を測る_ameblo.jp)
マラソンの距離は42.195キロメートルなので、50メートルのワイヤーだと、844回も計測することになるのです。
しかも歩道から30センチメートル離れたラインを維持する必要があるので、公道を占有しなければなりません。
とてつもない、時間を要して測定することになります。
○まとめ
・オリンピックの42.195キロメートルは、イギリスの王女のわがままで決まった。
・マラソンの距離42.195キロメートルと決まったのは1921年で、1924年のパリオリンピックからである。
・マラソンの語源は、ギリシャの兵士の一人が「マラトン」からアテネまで勝利を宣言し、走ったこのが語源とされている。
・マラソンの距離を測定する方法は、「ワイヤーロープを使った測定」と「自転車のカウンターを使った測定」の2つの測定方法がある。
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