HIV細胞感染の仕組みを解明!新薬の開発に期待
HIV(Human Immunodeficiency Virus)の略で、日本に直訳すると「ヒト免疫不完全ウイルス」と言われ、HIV感染者となる。
最近のニュースで、熊本大エイズ学研究センターの理化学研究所は、エイズの原因とされるHIVが、細胞から細胞へと感染拡大するメカニズムを解明したという。
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HIVには、CD4陽性細胞とマクロファジーという2種類の免疫細胞がある。
マクロファジーの場合、感染したマクロ細胞から伸びる管を通して、別のマクロ細胞に侵入を繰り返すことが分かっている。
HIVに感染するとマクロ細胞の上方に集まって高濃度化し、管の形成を促進する働きがあることを確認。
出典:マクロファージ – Wikipedia
化合物で約6800種類の中から、「管の形成を阻害」する化合物を見つけて投与したところ、管を通じた感染は抑制できたという。
この解明により、研究チームは米科学誌「Journal of
Immunology」電子版に掲載された。
出典:www.springer.com
CD4陽性細胞においても、今回解明したマクロ細胞と同じく適用できる可能性があるとしている。
現在でもエイズ治療薬があり、発症をかなり抑えられている。
しかし、体内でHIVが異変すると、薬が効かないこともある。
今回の「HIV細胞を阻害」する薬剤であれば、HIVの異変は起きなくなるという。
よく巷で言われるHIVとエイズ(AIDS)Vの違いについて、詳しく説明します。
○HIV=エイズ(AIDS)ではない?
HIV(Human Immunodeficiency Virus)の略で、ヒト免疫不全ウイルスという。
エイズ(Acquired Immune Deficiency Syndrome:AIDS)の略で、後天性免疫不全症候群と呼ばれる。
HIVとエイズは、医学的に分けられて分類されている。
HIVに感染したときはには、「HIV感染者」となり、その後免疫力がだんだん低下し、「エイズを発症」したと判断されるようになる。
すなわち、HIVに感染して免疫力が低下し、健康な人であれば何ともない菌やウイルスでも、さまざまな病気を誘発するようになる。
その病気が、「エイズ指標疾患」にはてはまる病気になると、初めて「エイズを発症した」と診断される。
ここでいう「エイズ指標疾患」とは、ニューモシスチン肺炎、カポジ肉腫、悪性リンパ種、悪性腫瘍などの23種類が指定されている。
このうち1つ以上に当てはまると「エイズが発症した」と診断されるのである。
○HIV発症の期間は?
HIVの感染初期では、インフルエンザに似た症状となり熱が39℃~40℃に発熱することがある。
HIV感染してから約2週間後に発症し、数日~数週間後にいきなり治ってしまうという。
但し、人によっては必ずしも初期症状があるわけではない。
この状態では、HIVに感染したかどうか判断は難しいものである。
あくまで、HIVウイルスが消滅したわけではない、HIVの長い潜伏期間の始まりとなる。
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○HIVからエイズ発症までの流れ
HIV感染 → 感染初期 → 無症状期 → エイズ発症
感染初期はHIVのウイルスが急激に増加する。
その後、ウイルスの量が一旦減り、無症状期と呼ばれる状態に入る。
この期間は個人差もあるが、数年~数十年程度とされている。
人の体の中のHIVが増えてくると、免疫細胞が徐々に減ってくる。
それから体の免疫力が低下して、健康な状態ではかからない様々な病気にかかりやすくなるという。
この期間にもウイルスは増加していき、他の人にも感染する可能性がある。
○HIVの感染経路は?
感染経路はいろいろある。
出典:How do you get HIV
①母子感染
母親がHIVに感染していて、子供の出産、受乳時による感染。
②血液感染
麻酔注射で、注射器を使いまわすことによる感染。
また血液提供者がHIVに感染して、それを他の人に輸血した場合なども、感染する。
③性感染
セックスによる感染。
HIVに感染してすぐには、エイズにはならない。
自分がHIV感染者だと気づくものも少ない。
そんな中で知らず知らずの間に、感染を拡散してしまう恐れもある。
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