セミの一生は長いって本当?
夏といえば、朝から夕方までミーンミンミン、ミーンミンミンと鳴き続けている「セミ」ではないでしょうか。
夏の間に、朝早くから にぎやかに鳴いているセミたちも、夏が終わるころには、みんな死んでしまうのです。
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夏のはじめに鳴くのは、ミンミンゼミやアブラゼミ、クマゼミなどで、夏の終わるころになると、ツクツクボウシの鳴き声が聞こえてくるようになります。
ところで、セミの一生は短いと思っていませんか。
実はセミの一生は思っているほど、短くはないのです。
セミは卵から生まれて幼虫になり、やがて成虫になっていく過程において、人間とは大きく違っているのです。
人間の場合は、20歳(はたち)から大人となり、日本人の寿命は80歳まで生きたとして、子どもの時間よりも、大人の時間の方が長いことは知っていますよね。
ところがセミの場合、人間と違って子ども(幼虫)の期間の方が、大人(成虫)の期間より、もとても長いのです。
セミは成虫になり、2週間~3週間ほどで生涯を終えるまで、他のセミに負けないようにと、全力で鳴いています。
○セミは幼虫の期間がとても長い!?
セミは、夏の間に木の枯れ枝や皮などに卵を産みつけて、その年の秋から翌年夏のはじめに、孵化(フカ)し幼虫になるのです。
幼虫になったセミは、土の中にもぐり、何年もそこで過ごすことになります。
セミの幼虫は、どのように食事をとっているかというと、セミの幼虫の口先には、針のようなものがあり、それを木の根っこに差し込んで、木の樹液を吸って生きています。
(写真:セミの幼虫_mepic-my-page.blog.so-net.ne.jp)
土の中で過ごす期間は、なんと「7年」とも言われています。
人間で例えるなら約70歳ぐらいまで、土の中で過ごしていることになります。
アブラゼミは3~6年ぐらい、ツクツクボウシは1~2年ぐらいと言われています。
ちなみに、アメリカに生息するセミの中には17年間、幼虫として生活しているセミもいると言います。
トンボは約1年、カブトムシは2年と言われているので、昆虫の中でもセミは、長生きな方なのです。
やがてセミは幼虫から さなぎになり、成虫へと変化していきます。
成虫になってから、2~3週間、長くて1カ月で生涯を終えることになります。
成虫になってからのセミの一生は短いと思っている方も多いのですが、幼虫の期間が長いというのは、不思議ですね。
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○セミはどうして鳴くの?
セミは朝から、けたたましく鳴いています。
どうしてセミは、鳴くのでしょうか。
(イラスト:azukichi.net)
セミの体長は5cmほどの小さな昆虫です。
そんな小さなセミが、どうしてあんなに大きな鳴き声を出しているのでしょうか。
また何のために、鳴いているのでしょうか。
セミは、成虫なって2~3週間で一生を終えます。
その期間に、子孫繁栄のために、オスのセミがメスのセミに自分の居場所を知らせるために、鳴いていると言われています。
実はセミが鳴くのは、オスがメスに対する「求愛行動」なのです。
大きく鳴くほど、メスはオスに寄ってくるのです。
だからオスのセミは、全力で他のセミに負けないように、朝から鳴いているのです。
○セミはどうやって食事をしているの?
セミの幼虫は数年間、地面の下で木の根の汁を吸って暮らしています。
成虫になって木の上で2~3週間、長くても1カ月間、木の枝や幹から樹液を吸って栄養を吸収しています。
そのため、セミの口は木の汁を吸うために、適したつくりになっているのです。
口の形は長い一本の棒になっていて、その中に注射針のように硬くて細い針があるのです。
人間の血を吸う、蚊と同じですね。
(写真:200401drbt.seesaa.net)
この針の鞘(さや)を木の表面にあててから、針を差し込んで、汁を吸っているのです。
またセミはカメムシの仲間で、植物の汁(樹液)を吸うだけでなく、アメンボのように、死んだ生き物の汁を吸っていることもあります。
○まとめ
・セミは夏のはじめに鳴くのは、ミンミンゼミやアブラゼミなどで、夏の終わるころはツクツクボウシの鳴き声が聞こえる。
・セミは成虫になってからは2~3週間で寿命は短いが、幼虫のときは7年間土の中で過ごしている。
・セミは成虫になって、短い期間を求愛行動で鳴いている。
・セミは針のさやを表面にあてて、その中の針を差し込んで木の樹液などを吸っている。
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