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遭難信号の「メーデー」なぜ「SOS」じゃないの?

5月1日は「メーデー」の日となっています。
これは「労働者の日」として、1886年5月1日にアメリカ・シカゴを中心に、当時14時間労働を8時間労働を要求し、ストライキなどを行ったことが起源とされています。




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その後、日本では1920年5月2日に第一回のメーデーを開催しています。「8時間労制の実施」「失業の防止」「最低賃金法の制定」など訴えるものとなっています。

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(写真:SONY DSC)

今では各労連などが中心で行われることが多い。

ところで、
よく映画などで緊急事態のときに呼び出す言葉で「メーデー・メーデー・メーデー」と、叫んでいるところを、聞いたことはないでしょうか。

○遭難呼び出し「メーデー」って何?

この「メーデー(Mayday)」とは、無線電話遭難信号を発信するときに国際的に使われている決まり言葉だそうです。

意味としては、「誰か助けにきてください」という意味で、これは警察、航空機の操縦士、消防士などが使う「メーデー呼び出し」となっています。

ja.avia.pro

(写真:ja.avia.pro)
無線など雑音と取り違いを防ぐために「メーデー・メーデー・メーデー」と3回繰り返すことになっています。

メーデーの無線での送信は、どんな周波数でも発信することができ、一旦発信されたら、その周波数は救助の支援となる通信以外、一切の通信を許されないことになっています。




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○無線の免許を持っていなくても「メーデー」で呼び出せるの?

本来無線機を使用する場合、無線の免許を持っていなければいけませんが、緊急の場合、免許を持っていないものでも無線機を使用して、遭難呼び出し「メーデー」を3回言って助けを求めることが許されています。

ウソの「メーデー」を言って呼び出すと、罰せられるの注意が必要です。ちなみにアメリカで、ウソの緊急呼び出しをすると、最高6年の懲役と最高25万ドルの罰金が科せられます。

「メーデー呼び出し」を待機している周波数は、海事中波の2182kHz、国際VHFのch16(156.8MHz)、航空用の121.5MHzと243.0MHzが、監視している周波数帯となっていて限られています。

www.cornestech.co.jp

(写真:www.cornestech.co.jp)

しかし、船などを乗っていて遭難したときなど、無線機を持っていれば、どんな周波数でも「メーデー」を3回言って、助けを求めることができます。

「メーデー」を受信した人は、速やかに海上公安局に連絡する義務があります。

○救難信号「SOS」じゃないの?

私たちが知っている助けを求める呼び出しは、「SOS」が有名です。

無線局運輸規則による遭難信号の呼び出し通報は「メーデー(Mayday)」を使用することになっています。

それじゃ「SOS」って何?という疑問がわきます。

「SOS」はモールス信号による遭難通報になります。無線などの音声による遭難通報は「メーデー」ということになっています。

dl8ok.darc.de

(写真:dl8ok.darc.de)

「メーデー」は英語では、「Mayday」と6文字分を送ることになりますが、「SOS」の場合、3文字で済むので、モールス信号としては、速く遭難信号を送ることができるのです。

遠くまで届くモールス信号は、1999年には遭難・緊急通報の取扱を廃止されたため、日本では自衛隊やアマチュア無線、遠洋漁業の一部で残るものとなっています。

だからといって、使用してはいけないということでも無いようです。

しかし、無線などの音声による遭難信号は「メーデー」または「遭難」を3回言うことになっています。

○「SOS」を発したのはタイタニック号が最初だった!

ちなみに世界で最初に「SOS」信号を発したのは、1912年4月14日に北大西洋で遭難した「タイタニック号」だったと言われています。

当時、最初は「CQD」の遭難信号が一般的でありましたが、1906年の第1回国際無線電信会議では「SOS」が考案されており、第2回会議で、正式に「SOS」が正式に採用されるようになりました。

タイタニック号の無線士は、このことを知っていたのでしょう。

音声の無線と違って、モールス信号は遠くまで送信することができるので、当時はモールス信号が圧倒的に多かったと言われています。

無線電話の技術により、直接音声で伝えられることがメリットとされ、モールス信号は使用されなくなっていきました。

無線通信による「SOS」は、過去数十年にわたり海上での人命に寄与してきましたが、全世界的な海上遭難・安全システムが1992年2月より完全導入されたことで、ついにモールス信号は使命を終えてることになったのです。

○まとめ

・5月1日は「メーデー(May day)」と遭難信号の「メーデー(Mayday)」は同じ単語となっているが、意味は全然ちがうもの。

5月1日のメーデーは、労働者が統一して権利要求を訴えるもので、「労働者の日」と定められている。

「メーデー」は「誰か助けください」という意味で、3回繰り返す。

・無線の免許を持っていなくても、遭難した場合「メーデー」を3回繰り返し、無線機を使うことができる。

・遭難信号の「メーデー」は無線音声で、「SOS」はモールス信号に使用されていた。

・「SOS」を最初に発したのは、「タイタニック号」だった。




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