信号機の赤・青・黄色は世界共通の色だった!
皆さん、車の免許を取るときなどで、信号機の赤・青(緑)・黄色は、それぞれ「止まれ」、「進め」、「注意」ということを習いましたね。
どうして信号機は、赤・青(緑)・黄色なのでしょうか。
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これはISO(国際標準化機構)が決めた国際的なルールで、色を定めたのはCIE(国際照明委員会)が決めています。
世界中どこの国でも、同じ色となるわけです。
CIEが決めた色は、赤・緑・黄色・白・青の5色です。
赤・緑・黄色は交通信号に、白・青は航空の信号などに使われています。
車用は赤・緑(日本では青と表現される)・黄色ですが、歩行者用は緑(青)・赤だけとなっています。特に赤と緑(青)の2色のみの信号を「紅緑灯」という。
最近では、直射日光で見えにくい信号機を、見やすい「LED」にの信号機も多くなってきています。
(写真:signal-net.sakura.ne.jp)
○色の波長が一番長いのは赤色!
先ほど述べたように、信号機の色は赤・緑(青)、黄色の3色が使われています。
どうして赤・緑(青)、黄色なのでしょうか?
これは可視光線(目に見える光)の色の波長に関係しています。
光の波長は、波の高いところから次の高いところまでの長さを示しています。
(図:smotoi.edisc.jp)
波長が長い色ほど、その色が見やすいとされています。
可視光線とは、目に見える光のことで、赤・橙・黄・緑・青・藍(あい)・紫の7色からなります。
この中で、光の色が一番遠くまで届く(波長が長い)のは、「赤」となるわけです。一番届きにくい(波長が短い)色は「紫」となっています。
波長はナノメートル(nm)の単位で表します。
(図:blue-light.biz)
それは、空気中の水の粒やチリにぶつかりにくく、遠くまで光が届くためです。
波長が一番長いのは赤、次に黄色、緑の順番となっています。
そういう理由からこの3色が使われるようになったのです。
○どうして信号機は「緑」なのに「青」と表現しているの?
日本の法令上、信号機の「進め」の許可は「緑」は、法令上「青」と表記されています。
どうして「緑」を「青」というように、なったのでしょうか?
日本に信号機が導入されたのは、1930年に東京の日比谷交差点に設置されたのが、最初と言われています。
当時は米国製の信号機を採用していました。
信号機の緑色表示を「青信号」と表現されています。これは、マスメディアが「緑信号」を「青信号」と表現したことによると言われています。
道路交通法制定以降は、一貫して「緑信号」を「青信号」と表現することにも由来しています。
日本では元来「緑」という表現をする習慣があまり無かったのです。
緑色のリンゴを「青リンゴ」と言ったり、緑に生い茂っている草原などは「青々としている草原」と表現もしています。
また緑色の野菜を「青野菜」とも言います。
つまり「青信号」という呼称は、日本だけの風習ということになります。
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○信号機の信号が「赤」でも進むことがあるって本当?
先ほど、赤は「止まれ」、青(緑)は「進め」、黄色は「注意」と表現しましたが、実際の交通表記では、どのようになっているのでしょうか。
・青(緑)信号
(写真:交通信号機図鑑_trafficsignal.jp)
歩行者などは、「青(緑)」は交差点を横断することができる、許可することを表しています。
車などでは、交差点で直進、左折、右折することができることを許可されているという意味になります。
ここで許可されていることであって、必ず進めるわけではありません。
例えば交差点で直進する場合、交差点の向こう側で混んでいて、直進できない場合などは、進むことができません。
交差点の中で止まることもできないので、車は交差点の手前で止まっていなければならないからです。
もしここで交差点の中で止まってしまうと、赤信号に変わったときに、左折、右折する車の邪魔になってしまうことになります。
・黄色信号
(写真:gifmagazine.net)
歩行者は横断を始めてはいけません。横断している場合は速やかに横断するか、横断をやめて引き返さなければならないことを、表しています。
車の場合は、青(緑)から黄色に変わったときは、停止線で止まらなければなりません。
停止線で安全に停止できない場合や交差点の途中の場合は、そのまま直進、左折、右折することができます。
・赤信号
(写真:vip.blomaga.jp)
歩行者の場合、横断してはいけません。
車の場合、停止位置を超えて進んではいけません。
交差点の中で、赤信号になった場合は、速やかに注意して進むことができます。
・黄色点滅
よく道路工事などで、信号機が点滅していることがありますが、これは注意して直進、左折、右折することができます。
見通しの良い交差点では、必ず停止する必要はありません。
・赤点滅
信号機が故障している場合や道路工事などで、信号機が赤点滅して場合があります。
これは、交差点の停止線で一旦停止して、注意して直進、左折、右折することになります。黄色の点滅とは違い、必ず停止線で止まって確認しなければなりません。
・「赤信号」の信号機の矢印は?
(写真:signal-net.sakura.ne.jp)
赤信号でも直進、右折、左折することができる場合があります。
それは、信号機の下の「矢印の向き」が進行方向を表しています。
赤信号でも、下の矢印の示す方向に進むことがでいます。
例えば交差点を右折しようとしたときに、対向する直進車があるとなかなか右折できません。そこで、時間差で赤になっても信号機の下の右矢印を出して、右折車は右折することがきでるのです。
赤信号だからと言って、矢印が出ているのに、交差点で止めっていると、後ろの車の迷惑になる場合があります。
○信号機の赤・青(緑)・黄色の順番には意味がある!
信号機の色には順番があるのです。
一番重要な「止まれ」を意味する「赤」が、一番見やすい道路中央寄りに、縦の信号機の場合は、一番上になります。
日本では右ハンドルですので、道路中央に「赤」を一番見やすく、意識させやすいためとなっています。
信号機で一番大切なのは、青の進めよりも赤の停止なのです。
「赤」が第一優先となっています。
雪国などの信号機は縦ですが、一番高く見やすいところに、「赤」となっています。
(写真:trafficsignal.jp)
○まとめ
・信号機の赤・青(緑)・黄色の色はISOの国際ルールにおいて、CIEが決めた色となっている。
・信号機の色は、どこの国でも同じ色を使っている。
・色の波長が一番長いのは「赤」で、遠くまで届くやすくなっている。
・日本では「緑」を「青」と法規上表現している。
・「緑」を「青」と表現しているのは、日本だけの風習。
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