X線を発見したレントゲンとは?
私たちがいつも病院で、風邪などを引いたときに胸部などに、X線を照射して身体の内部の写真を診てお医者さんが、診断してくれています。
X線は、私たち体の表面の肉や皮をすかして、骨や内臓だけを映し出してくれます。
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これは、目に見える光の代わりに「X線」を使って撮っているのです。よくお医者さんから「レントゲン」を取りましょうと言われますが、この「レントゲン」は、X線を発見した人物の名前からつけられています。
ドイツの科学者である「ヴィリヘルム・レントゲン」(1845~1923年)が、X線を発見したことにより、彼の名である「レントゲン」が採用されたのです。
彼は、X線を発見したことで、1901年に第1回ノーベル物理学賞を受賞しています。
○「ヴィリヘルム・レントゲン」とはどんな人物?
レントゲンは、1845年にドイツのレムシャイトに生まれています。
父はドイツ人で織物の商人、母はオランダ人で一家は裕福な家庭で育っている。
(写真7:twitter.com)
1865年にチューリッヒ工科大学の機械工学科に進学し、1869年に「種々の気体の熱的性質に関する研究」で、博士号を取得している。
その後ヴュルツブルク大学の教授となり、助手として働くようになります。
○「X線」はどのように発見されたのか?
レントゲンは、あるとき気体の中に電気を流し、その様子を調べる実験をしていた。
そこで、机の上に置いた蛍光紙という特殊な紙の上に、暗い線が現れたのです。
これは、蛍光紙に光を当てたときに見えるはずのものだった。しかしそのとき、実験室には光が入ってくる環境ではなかったのです。
(写真:x-ray.ed.niigata-u.ac.jp)
実験中の装置も段ボールに覆われ、光が入る状態ではなく、このとき実験装置から光が出たと考えなくてならなかった。
レントゲンは、実験装置から目に見えない不思議な光が出て、段ボール紙を通り抜けて蛍光紙に照射したのだろうと、思うのであった。
そのからレントゲンは実験室にこもって、実験を続けるのである。
この「不思議な光」は、段ボールはもちろん、1000ページもあるような分厚い本や、厚いガラスさえも通り抜けることを発見している。
実験中、ふとしたことから自分の骨の影を目の当たりすることになった。
レントゲンはこのとき、この「不思議な光」が何であるのか分からないことから、「X線」=「それが何なのかまだ分かっていない光」という意味で名前を付けたのです。
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○X線の論文でノーベル物理学賞を受賞したレントゲン
レントゲンは「X線」についての論文を書いています。当時論文はあちこちの科学雑誌に掲載され、世界中のニュースとなった。
科学雑誌に掲載され、その3ヶ月後に日本でも紹介されている。
その後1901年にレントゲンはノーベル物理学賞を受賞することになりますが、レントゲンがノーベル物理学の初受賞者となったのです。
(写真:horukan.com)
その後の研究で、「X線」は電磁波の一種だということが明らかにされたのは、10年ほど経ってからのことでした。
レントゲンは、ノーベル賞を受賞した賞金を全て大学に寄付し、彼はX線についてお金を儲けようとはしませんでした。
このレントゲンで、医学の進歩に大きく貢献することになったのです。
レントゲンは、医学だけでなく、いろいろな物質の被破壊検査などでも活躍しています。
○まとめ
・「レントゲン」は「X線」を発見した人物の名前からとられている。
・レントゲンが1901年初のノーベル物理学賞を受賞している。
・研究中に物質を通り抜ける「不思議な光」を発見し、この光が何なのかわからなかったことで、「X線」という名で発表することになる。
・レントゲンはノーベル物理学賞の賞金を全て大学に寄付している。
・レントゲンは医学の進歩に大きく貢献することになる。
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