酸素もない宇宙でロケットはどうやって飛んでいるの?
ロケットを発射(はっしゃ)させるときは、ロケット燃料(ねんりょう)を噴射(ふんしゃ)させて、地球の引力(いんりょく)を振り切って、宇宙まで上げる必要があります。
その爆発力(ばくはつりょく)によるロケットの速度は、秒速11.2km(約4万km/h)以上が必要となってきます。
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これだけの速度を生みだすには、相当の燃料(ねんりょう)が必要になるわけです。
ところで酸素(さんそ)もない宇宙で、ロケットはどうやって飛んでいるのか?
不思議(ふしぎ)に思ったことはないでしょうか。
○ロケットが宇宙で飛ぶときは風船と同じ原理で飛んでいた!
当然宇宙には酸素(さんそ)がありません。
ロケットエンジンを噴射(ふんしゃ)させても、宇宙では燃(も)えないので、ロケットエンジンで移動することもできません。
空気を入れた大きく膨(ふく)らませた風船を手から離すと、風船は空気を吹き出しながら、その反作用(はんさよう)で飛んでいるのです。
ロケットも、この風船と同じように、ガスを噴(ふ)き出しながら飛んでいるのです。
(イラスト:宇宙情報センター)
ガスは燃料(ねんりょう)を燃やしてつくられまていますが、宇宙には空気がないので、燃料を燃やすための酸素が必要です。
そのためロケットに、酸素を発生させる物質である「酸化剤(さんかざい)」を積(つ)んでいます。
燃料と酸素によってつくられた燃焼ガスは、ノズルから噴射(ふんしゃ)されます。
この燃焼ガスによって、ロケットは宇宙を飛んでいることになります。
酸化剤は、「あかつき」のロケットでは四酸化二窒素((しさんかにちっそ、化学式 N2O4)が使われていました。
(写真:あかつき_gunsight.jp)
空気から酸素をとり入れるのがジェット機、酸素をあらかじめ持っていくのがロケットとなります。
(イラスト:spaceinfo.jaxa.jp)
いずれも、燃料を燃やしてできたガスを、後方に噴き出して前向きの推力(すいりょく)をを得ているのです。
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○ロケットで使用するエネルギー源はなに?
ロケットの方式は、ロケットの使用するエネルギー源で分類されています。
化学ロケット、電気ロケット、原子力ロケットに分類されています。
・化学ロケット(かがくろけっと)
燃料(ねんりょう)の燃焼(ねんしょう)を化学反応(かがくはんのう)によって生じる熱エネルギーを利用するもの。
燃料自体を推進剤(すいしんざい)として噴射(ふんしゃ)するもで、燃料の消耗(しょうもう)の効率(こうりつ)は最も悪いが、短時間(たんじかん)で大きな推進力(すいしんりょく)を発生させることができる。
実用化(じつようか)されたロケットのほとんどは、この化学ロケットである。
・電気ロケット(でんきろけっと)
推進剤を電気的(でんきてき)に加速(かそく)して噴射(ふんしゃ)するもので、人工衛星(じんこうえいせい)や宇宙探査機(うちゅうたんさき)などに実用化(じつようか)されている。
大きな推進力(すいしんりょく)を得ることは難しいが、長期間(ちょうじかん)の使用に向いている。
・原子力ロケット(げんしりょくろけっと)
推進剤を原子炉(げんしろ)で加熱(かねつ)して噴射(ふんしゃ)するもので、ロケットの後方で核爆弾(かくばくだん)を爆発(ばくはつ)させて推進力を得るもの。
これは安全性(あんぜんせい)に問題(もんだい)があり、核兵器(かくへいき)を宇宙空間(うちゅうくうかん)へ持ち込むことを禁(きん)じられています。
宇宙条約(うちゅうじょうやく)により制限(せいげん)されている。実際には、実用化(じつようか)されていない。
ここで「ロケット」の語源(ごげん)について、イタリアの芸術家(げいじゅつか)であり技術者(ぎじゅつしゃ)であるムラトーリが西欧(せいおう)で、初めて火薬推進式(かやくすいしんしき)のロケットをつくり、その形状にちなんで、「ロッケッタ」(小さな糸巻き棒)と名付けたことに由来している。
○まとめ
・ロケットを発射させるときは、ロケット燃料を噴射させて、地球の引力を振り切って、宇宙まで上げている。
・ロケットの速度は、秒速11.2km(約4万km/h)以上が必要である。
・速度を生みだすには、相当の燃料(ねんりょう)が必要になる。
・酸素もない宇宙で、ロケットはどうやって飛んでいるのか?
・ロケットも、この風船と同じように、ガスを噴き出しながら飛んでいる。
・燃焼ガスによって、ロケットは宇宙を飛んでいる。
・ロケットの方式は、ロケットの使用するエネルギー源で分類されている。
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